浮き名 立ちゃそれも こまるし 世間のひとに 知らせないのも 惜しい仲 |
あなたあなたと 甘える時は お金おくれと 聞くがよい |
おまはんの 心ひとつでこの剃刀が 喉へ行くやら 眉へやら |
禿でも 桃色ほどの 嘘をつき |
切れる心は さらさらないに 切れた振する 身の辛さ |
傾城の恋は 誠の恋ならで 金持って来いが ほんの恋なり |
傾城に 誠なしとは 誰が言うた 誠ありまで 通わんせ |
小指切らせて まだ間がないに 手まで切れとは 情けない |
女郎の誠と 玉子の四角 あれば晦日に 月が出る |
三味線枕に あなたと二人 バチのあたるまで 寝てみたい |
千両万両の金には 惚れぬ お前一人に わしゃ惚れた |
つねりゃあ紫 食いつきゃあ紅よ 色で仕上げた この体 |
妻と思ふて ゐる身が主に 文を変名で 書く辛さ |
猪口で受けてる お座敷よりも 二人で飲みたい 茶碗酒 |
羽織着せかけ もし煙草入れ 忘れさんすな 宵のこと |
腹が立つなら どうなとさんせ 主にまかせた この身体 |
笑うて悲しい 座敷をぬけて 泣いてうれしい 主のそば |
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