秋風に 蝉の抜け殻 風に舞い 恋の焔も 命果てたり |
静かなる 時の流れに ゆだねつつ 消えぬ情念 いまだ身を焦く |
喧騒の 夏のざわめき 通り過ぎ 秋のしじまに 君恋うるかな |
乱れ髪 頬にかかりし 黒髪を からめし君が 細き指先 |
溢れくる 想いの焔 輝きて この身愛しや 恋うる君ゆえ |
ほの暗き 浮世の運命 一夜 |
細き糸 繋がるならば 永遠 二人のえにし 硬く契りし |
夢ならば すがる事さえ 出来たのに 醒めて我が身を 何故苦しめる |
叫べども 心届かぬ 君なれど 何時か巡りて 熱き腕 |
埋もれ焔 口に咥えて 独り泣きぬる |
遥かなる 時の彼方に 君去りて 夢観し姿 風に移ろい |
彷徨いし 独り小船の 浮世川 棹さす櫂も 波のまにまに |
狂おしく 想えど届かぬ この想い 何故に縺れる 運命(さだめ)の糸よ |
鳥鳴きて 朝を告げしも 今宵又 独り寝床の 想いかなわじ |
夢に観る 君は遥かな 空の下 恋うる想いは 届きしものか |
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